お疲れ様です!会社員ブロガーの『運雄新記』です。
今回のテーマは「ROE(自己資本利益率)」について。
「決算書とか会計って苦手…」「数字見るの、どうも腰が重い…」と感じているサラリーマンの方もいるかもしれません。でも、会社の数字をちょっと理解するだけで、日々の業務の見え方が変わったり、上司や経営層の話がスッと頭に入ってきたりと、いいこと尽くしなんです。
その中でも、特に「会社の稼ぐ力」を表す重要な指標がROE。これを知るだけで、「デキる」サラリーマンへの第一歩を踏み出せますよ!
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ROEって、結局何者?
ROEは「Return on Equity」の略で、日本語では「自己資本利益率」と言います。計算式はシンプルに、
ROE(%) = 利益(当期純利益) ÷ 自己資本(純資産) × 100
これで算出されます。
会計初心者の方には「自己資本? 純資産? 当期純利益?」とハテナが並ぶかもしれませんね。簡単に言うと、
- 自己資本(純資産):株主が出したお金や、会社が今まで稼いできた利益の積み重ねなど、返済の必要がない、会社自身の資金です。
- 利益(当期純利益):会社の活動で最終的に残った儲けのことです。
つまりROEは、「会社が、株主から預かったり、自分たちで貯めてきたお金(自己資本)をどれだけ上手に使って、最終的な儲け(利益)を出せたか」を示す数字なんです。
ROEが高いということは、効率よく利益を稼いでいるということ。「自分のお金でどれだけ効率的に儲けを出したか」という会社の「稼ぐ力」を測る指標として、とても重要なんです。
なぜ今、「ROE」が注目されるの?
2014年に経済産業省から発表された、通称「伊藤レポート」。このレポートが、日本企業に大きなインパクトを与えました。レポートでは、日本企業が世界の投資家から評価されるためには、最低でもROEは8%を上回るべきだと提言されたんです。
これ以降、多くの企業がROEを経営目標に掲げ、ROEを重視する動きが加速しました。
なぜここまで注目されるようになったかというと、ROEは株主(会社の持ち主)の視点に立った指標だからです。株式会社という仕組みの本質は、会社を所有する株主の利益を最大化すること。株主からすれば、「自分が出資したお金を活用して、どれだけ大きな利益を生み出せるか」が、会社を評価する最大のポイントなんですね。
あなたの会社でも、「ROE〇%達成!」とか、「ROE改善が喫緊の課題だ!」なんて話が出ているかもしれません。それは、会社が株主からの期待に応え、もっと効率的に稼ぐことを目指している証拠なんです。
ROEの「落とし穴」も知っておこう
ROEが高い会社は「稼ぐ力」があると言えますが、その数字の裏側も知っておくことが「デキる」サラリーマンへの道です。ROEを上げる方法はいくつかあります。
- 利益を増やす(これが王道!):本業を伸ばして、売上を増やしたり、コストを削減したりして、利益を積み重ねていくのが理想的です。
- 自己資本を減らす:例えば、自社株買いをすると、分母である自己資本が小さくなるため、ROEの数字上は改善します。株主への還元策として評価されることもありますが、「本来は事業で稼いで利益を増やすべきだ」という意見もあります。
- 借金を増やす(レバレッジを効かせる):これは少し専門的ですが、借金(負債)を増やして事業を拡大する(「てこの原理」のように小さな自己資金で大きな事業を動かすことを「レバレッジを効かせる」と言います)と、その資金で得た利益によってROEの数値が高まることがあります。ただし、過度な借金は会社の財務を不安定にするリスクがあるので注意が必要です。
このように、ROEの数字だけを見て「すごい!」と判断するのではなく、「なぜそのROEになっているのか?」という背景まで考えられると、一歩踏み込んだ会計知識が身につきます。ROEが高いからといって、必ずしも財務が健全とは限らないケースもあるので、「自己資本比率」などの他の指標と合わせて見ていくのがおすすめです。
ROA(総資産利益率)も知っておこう!会社全体を見る視点
ROEは株主目線の指標でしたが、会社全体としてどれだけ効率よく利益を稼いでいるかを見る指標に「ROA(Return on Assets:総資産利益率)」があります。
計算式は以下の通りです。
ROA(%) = 利益(当期純利益) ÷ 総資産 × 100
「総資産」とは、会社が持っている全ての財産のこと。自己資本(株主からのお金など)と負債(借金など)を合わせたものです。
ROAは、会社が持っている全ての財産(総資産)をどれだけ上手に使って、最終的な儲け(利益)を出せたかを示します。つまり、会社全体の「稼ぐ力」や「効率性」を表す会社目線の指標と言えます。
ROEが高くても、それが多額の借金(負債)に支えられている場合、ROAはそれほど高くないかもしれません。これは、会社全体としては効率的に稼げていない可能性を示唆します。
- ROE:株主のお金がどれだけ効率的に使われているか
- ROA:会社全体の財産がどれだけ効率的に使われているか
この2つの指標を合わせて見ることで、会社の「稼ぐ力」を多角的に評価できるようになります。「デキる」サラリーマンなら、ぜひ両方チェックしておきましょう!
あなたの会社も「ROE」で見てみよう!
決算書や会社のIR情報を見る機会があったら、ぜひ「ROE」の数字に注目してみてください。
例えば、
- あなたの会社が、同業他社と比べてROEが高いか低いか?
- 過去のROEの推移はどうなっているか?
といった視点で見てみると、会社の「稼ぐ力」が相対的にどうなのか、また、過去と比較して改善しているのか悪化しているのかが見えてきます。
会計は、会社の言葉です。ROEという言葉を理解するだけで、経営層の話やニュースの理解度が格段に上がります。これは、あなたの仕事への理解を深め、社内での評価にも繋がるはずです。
今日からあなたも「ROE」を意識して、会社の数字を読み解く「デキる」サラリーマンを目指しませんか?