家計研究論文

会計調査/国内化学メーカー/自己資本

はじめに

「決算短信」から親会社所有者帰属持分比率(以下、自己資本比率)を調べて一覧表にしました。自己資本比率の低下は、負債が増えることを意味します。

また、実質的な負債額を示すネットD/Eレシオ(倍)についても確認しました。

自己資本比率について

自己資本とは、企業が外部から借り入れずに、自前で調達した資金のことです。具体的には、株主からの出資や、過去の利益の蓄積などが含まれます。

自己資本比率が高い企業は、外部からの資金に頼らずに経営できるため、財務の安定性が高いと評価されます。

自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資産 × 100

自己資本は、企業の財務状況を評価する上で重要な指標の一つです。

自己資本比率が高いほど、企業の財務体質は健全であると評価され、以下のメリットがあります。

  • 資金調達: 銀行からより有利な条件で融資を受けることができます。
  • 信用力向上: 取引先や投資家からの信頼性が高まります。
  • 経営の安定性: 不測の事態が発生しても、より安定した経営を続けることができます。

自己資本比率2023年度ランキング

略号 資産合計
(百万円)
自己資本
(百万円)
自己資本比率
F 5,147,974 4,257,922 82.7%
B 4,783,460 3,169,247 66.3%
L 1,289,949 794,516 61.6%
K 1,323,243 792,329 59.9%
H* 1,769,746 983,658 55.6%
D 3,466,518 1,736,034 50.1%
I* 2,713,341 1,358,310 50.1%
C 3,662,730 1,813,391 49.5%
G 2,215,819 862,851 38.9%
A 6,104,513 1,763,447 28.9%
J* 2,031,953 552,838 27.2%
E 3,934,818 965,753 24.5%
平均値 49.6%

*は12月決算

・F社は自己資本比率82.7%と突出していて、A社からL社まで12社の自己資本比率の平均値は49.6%でした。

自己資本と負債の違い

区分 自己資本 負債
資金源 株主の出資、内部留保 銀行からの借入金、社債など
返済義務 なし あり
リスク

ネットD/Eレシオについて

ネットD/Eレシオ(倍) = 純有利子負債* ÷ 純資産
*純有利子負債 = 有利子負債(短期・長期の借入金と社債の合計)- 現預金

 

ネットD/Eレシオ2023年度ランキング

略号 現金及び現金同等物
(百万円)
短期借入金
(百万円)
長期借入金
(百万円)
有利子負債
(百万円)
純有利子負債
(百万円)
ネットD/Eレシオ
H* 291,663 14,039 124,441 138,480 -153,183 -0.16
F 1,698,999 10,386 13,913 24,299 -1,674,700 -0.13
K 138,572 11,569 46,270 57,839 -80,733 -0.09
L 149,812 145,265 31,070 176,335 26,523 0.03
B 179,715 317,103 185,716 502,819 323,104 0.10
C 338,108 178,091 425,926 604,017 265,909 0.15
I* 289,647 55,995 683,771 739,766 450,119 0.33
D 235,887 379,847 530,557 910,404 674,517 0.39
G 210,292 324,088 432,670 756,758 546,466 0.63
J* 190,318 52,489 625,840 678,329 488,011 0.88
A 294,924 605,307 1,595,704 2,201,011 1,906,087 1.08
E 217,449 585,905 977,581 1,563,486 1,346,037 1.39
平均値 0.39

*は12月決算

・上位3社はネットD/Eレシオががマイナスとなり、実質無借金の状態です。

・A社からL社まで12社ネットD/Eレシオの平均値は0.39倍であり、D社までの8社のネットD/Eレシオが平均値以下という結果でした。

次項

次回は各社の「時価総額」について調査する予定です。

以上

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