Contents
はじめに
こんにちは。投資家ブロガー「ツキを呼ぶ サラリーマン家計研究室」です。
「新NISAを始めたいけど、どの投資信託を選べばいいの?」「S&P500・全米株式・オールカントリーの違いは?」――こんな悩みに、実体験を交えつつやさしく答えます。
この記事でわかること
-
S&P500・全米株式・オールカントリーの違いと特徴
-
実際のリターン事例
-
目的別のファンドの選び方
-
新NISAを「今すぐ」始めるべき理由と基本原則
メモ
※本記事の実績データは筆者の体験に基づくもので、将来成績を保証するものではありません。
1. 「米国株一択」は本当?主要3ファンドを俯瞰する
米国経済の成長は目覚ましい一方、世界分散の選択肢も見逃せません。まずは3つの代表的なインデックスを俯瞰しましょう。
-
S&P500:米国の大型株約500銘柄に連動。米国の中核企業群の成長をダイレクトに取りに行く設計。
-
全米株式:米国市場「全体」を対象。大型〜中小型まで幅広く保有し、米国の裾野の広い成長をとらえやすい。
-
オールカントリー(全世界株式):先進国+新興国を時価総額加重で広く分散。特定地域集中のリスクを和らげやすい。
補足:S&P500の構成イメージ
S&P500の組入上位には、Microsoft/Apple/Amazon/NVIDIA/Alphabet(Google)/Metaなど世界的企業が並びます。IT比率が相対的に高く、米国の成長エンジンを取り込みやすい一方、米国・大型株への偏りは認識しておきましょう。
※具体的な「構成比」「上位銘柄」「基準価格」「純資産総額」などは目論見書・運用会社の最新公表値で必ず確認してください(本文中の数値例は執筆時点の参照値)。
組入上位銘柄(2023年10月31日現在、目論見書より) | 業種 | 国・地域 | 比率 |
MICROSOFT CORP | ソフトウェア・サービス | アメリカ | 7.0% |
APPLE INC | テクノロジー、ハードウェア及び機器 | アメリカ | 7.0% |
AMAZON.COM INC | 一般消費財・サービス流通・小売り | アメリカ | 3.4% |
NVIDIA CORP | 半導体・半導体製造装置 | アメリカ | 2.9% |
ALPHABET INC-CL A(Google) | メディア・娯楽 | アメリカ | 2.4% |
META PLATFORMS INC-CLASS A | メディア・娯楽 | アメリカ | 1.9% |
BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B | 金融サービス | アメリカ | 1.7% |
TESLA INC | 自動車・自動車部品 | アメリカ | 1.5% |
ALPHABET INC-CL C(Google) | メディア・娯楽 | アメリカ | 1.5% |
UNITEDHEALTH GROUP INC | ヘルスケア機器・サービス | アメリカ | 1.4% |
2. S&P500、全米株式、オールカントリー、どれを選ぶべき?違いとリターンを比較!
さて、S&P500の好実績を見て、「じゃあS&P500一択でしょ!」と思った方もいるかもしれません。しかし、米国市場全体に投資する『全米株式』や、世界中に分散投資する『オールカントリー』も非常に魅力的な選択肢です。
それぞれの投資対象とリターンの傾向を比較してみましょう。
- S&P500: 米国の大型株500銘柄に特化。米国経済の成長をダイレクトに享受したい方向け。
- 全米株式: 米国市場全体に投資。S&P500が大型株中心なのに対し、中小型株も含む、より広範囲な米国企業をカバーします。
- オールカントリー: 先進国・新興国を含む全世界の株式市場に幅広く投資。特定国への集中リスクを避けたい方向け。現状、米国株式の比率が高い(約6割)ものの、分散効果が期待できます。
実際の私の投資実績(2022年1月からの36ヶ月間のリターン率)を見てみましょう。
銘柄 | 1ヶ月目 | 6ヶ月目 | 12ヶ月目 | 18ヶ月目 | 24ヶ月目 | 30ヶ月目 | 36ヶ月目 |
S&P500 | -5.0% | 0.0% | -1.2% | 19.4% | 28.7% | 36.0% | 46.1% |
全米株式 | -9.1% | 2.2% | -1.4% | 18.5% | 28.4% | 48.0% | 71.3% |
オール・カントリー | -9.1% | 1.3% | 1.1% | 17.5% | 25.1% | 43.3% | 60.2% |
このデータを見ると、私の検証期間においては『全米株式』が71.3%と最も高いリターン率を記録し、次いで『オールカントリー』が60.2%と続きました。『S&P500』も46.1%と素晴らしいリターンですが、この期間においては他の2つの方が好成績でした。
これは、米国の中小型株や、米国以外の先進国・新興国市場の伸びが影響している可能性を示唆しています。「米国株一択」という考え方も一理ありますが、より広範囲に分散することで、さらに高いリターンを狙える可能性もあるということです。
3. コストは小さな差でも累積で効く(信託報酬)
長期投資で見逃せないのが運用管理費用(信託報酬)。年率でわずか0.1%の差でも、長い時間で資産額に影響します。人気の低コストファンドを選べば、市場リターンを効率よく受け取りやすい設計に。
紹介した3つの投資信託は、いずれも非常に低コストで運用されているのが特徴です。
銘柄 | 投資対象地域 | 投資対象資産 | 信託報酬率(税込 年率) | 基準価格 (円) | 純資産総額 (億円) |
S&P500 | 北米 | 株式 | 0.09372% | 27,466 | 3兆9,173 |
全米株式 | 北米 | 株式 | 0.16200% | 27,953 | 1兆3,858 |
オール・カントリー | グローバル(日本を含む) | 株式 | 0.05775% | 23,297 | 2兆7,738 |
S&P500の信託報酬が0.09372%だとすると、仮に1万円投資しても年間で9円程度のコストしかかかりません。これだけ低コストで、世界経済の成長に投資できるのは、まさに個人投資家にとって大きなメリットですね!
4. 初心者におすすめ!新NISAで選ぶべき投資信託3選
これまでの比較を踏まえ、新NISAでこれから投資を始める初心者の方におすすめしたい投資信託3選を紹介します。あなたの投資目標やリスク許容度に合わせて選んでみてください。
【安定成長を狙うなら】S&P500
- 投資対象: 米国の主要な大型株500銘柄
- こんな方におすすめ:
- 今後も米国経済の成長を強く信じている方
- 高いリターンを目指したい方
- 世界をリードする大企業にまとめて投資したい方
近年の米国株式市場の好調ぶりはご存じの通り。S&P500は、その恩恵をダイレクトに受けたい方に最適な選択肢です。ただし、投資先が米国に集中するため、米国経済の動向に大きく左右されるリスクがあることは理解しておきましょう。
【手広く分散投資したいなら】全世界株式(オールカントリー)
- 投資対象: 先進国・新興国を含む全世界の株式市場
- こんな方におすすめ:
- 特定の国に集中するリスクを避け、世界経済全体の成長に投資したい方
- よりバランスの取れたポートフォリオを構築したい方
- 初心者で何を選んだらいいか迷う方
時価総額加重平均で投資されるため、現状では米国株式の比率が高いものの、米国以外の先進国や新興国にも分散投資されるのが強みです。もし仮に米国経済の成長が鈍化したとしても、他の地域の成長でカバーできる可能性があり、リスク分散効果に優れています。
【米国市場に丸ごと投資するなら】全米株式
- 投資対象: 米国市場全体(大型株に加えて中小型株も含む)
- こんな方におすすめ:
- 米国市場の成長を期待しつつ、S&P500よりも幅広い米国企業に投資したい方
- S&P500では捉えきれない、中小型株の成長も取り込みたい方
S&P500よりもさらに広範な米国企業に投資することで、米国市場全体の成長を捉えることを目指します。S&P500と同様に米国経済に集中するリスクはありますが、銘柄数が多く、若干のリスク分散効果が期待できます。
5. 新NISAはいつ始めるべき?「今すぐ」がベストな理由
新NISA制度は、非課税保有限度額が1,800万円、非課税保有期間が無期限と、大幅に拡充されました。この変更により、投資開始時期が資産形成に与える影響はこれまで以上に大きくなっています。
結論から言うと、新NISAは「今すぐ」始めるのがベストです。
非課税メリットを最大限に活かす!
新NISAの最大の魅力は、投資で得た利益が非課税になることです。非課税期間が無期限になったことで、早くから投資を始めることで、より長い期間にわたって非課税で運用できる恩恵を最大限に受けられます。
複利効果を味方につける!
投資で得た利益がさらに利益を生む「複利」の力は、投資期間が長ければ長いほど、その効果は雪だるま式に大きくなります。早く始めれば始めるほど、複利の力を最大限に活用でき、最終的な資産額に大きな差が生まれます。
以下のグラフは、過去の市場データに基づいていますが、2008年のリーマンショック時の株価暴落でさえ、約5年間で回復していることがわかります。
市場は短期的に変動することはあっても、長期的に見れば成長していく、というのが投資の大前提です。
『世界経済のネタ帳』より⇨https://ecodb.net/stock/dow.html
長期・積立・分散でリスクを抑える!
新NISAで投資信託を選ぶ上では、「長期・積立・分散」の3つの基本原則を意識することが重要です。
- 長期: 短期的な市場の変動に一喜一憂せず、落ち着いて投資を続けることで、市場の成長の恩恵を受けやすくなります。
- 積立: 毎月一定額を積み立てることで、高値掴みのリスクを低減し、平均購入単価を平準化する「ドルコスト平均法」の効果が期待できます。
- 分散: 複数の銘柄や地域に投資することで、特定の資産や地域に集中するリスクを抑えることができます。
これらの原則を意識し、できるだけ早く投資を始めることが、非課税メリットと複利効果を最大限に活かし、着実な資産形成につながるのです。
まとめ:新NISAであなたの未来を豊かに!
今回は、新NISAで選ぶべき投資信託として、「S&P500」、「全世界株式(オールカントリー)」、「全米株式」の3つに焦点を当てて解説しました。
- S&P500:米国経済の成長をダイレクトに享受したい方
- 全世界株式(オールカントリー):特定国に集中するリスクを避け、世界経済全体の成長に投資したい方
- 全米株式:米国市場全体の成長を期待しつつ、S&P500よりも幅広い米国企業に投資したい方
それぞれに特徴があり、リターンの傾向も異なります。ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、最適なファンドを選ぶことが大切です。
そして、最も重要なのは「今すぐ始める」と。新NISAは、あなたのライフプランに合わせた柔軟な資産形成を可能にする強力な制度です。非課税メリットと複利効果を最大限に活かすためにも、この機会にぜひ資産形成をスタートさせましょう!
もし、具体的な銘柄名を知りたい方や、さらに詳しい相談をしたい方は、お気軽に問い合わせメールにてご連絡くださいね。
あなたの投資ライフが実り多いものになるよう、心から応援しています!
免責事項: 本ブログ記事は、一般的な情報提供を目的としており、特定の投資行動を勧誘するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本が保証されるものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。