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【初心者向け】S&P500ってなに?3年でわかったこと

投資信託を始めようと検討している人

・米国の成長なくして世界経済の成長は見込めないので米国株一択というキャッチフレーズを目にしたけれど、投資信託の中で『S&P500』とは、どういうものだろうか?

・『全米株式』や『オールカントリー』と比べて、実際のリターンはどの程度あるのだろうか?

という質問にお答えします。

この記事を読むと以下のことがわかります。

・『S&P500』に投資して3年後の実例がわかります

・『S&P500』に投資する、もしくはしないの判断材料になります

記事の信頼性

私は2022年1月~2025年1月までの3年間、試験的に『S&P500』(略号A)、『8資産均等型』(略号B)及び『債券型』(略号C)の投資信託に毎月1,000円ずつ投資し比較しています。

同時期に『全米株式』(略号D)及び『オールカントリー』(略号E)に投資しています。

    • 「米国株一択」という考え方も一理ありますが、世界経済は多様化しており、他の地域への分散投資も検討する価値があります。S&P500は米国経済の成長を捉えたい方におすすめですが、よりバランスの取れたポートフォリオを構築したい場合は、全米株式やオールカントリーも選択肢の一つです。」

投資信託『S&P500』はどこに投資しているのか?

『S&P500』は米国の大企業500社を対象とした株価指数です。

投資信託『S&P500』の上位銘柄は「Google」、「Apple」、「Facebook」、「Amazon.com」及び「Microsoft」などが占めており、IT業界において世界的なシェアを誇る5社の頭文字をまとめてGAFAM(ガーファム)と呼ばれています。

主要な資産の状況

組入上位銘柄 業種 国・地域 比率
1 MICROSOFT CORP ソフトウェア・サービス アメリカ 7.0%
2 APPLE INC テクノロジー、ハードウェア及び機器 アメリカ 7.0%
3 AMAZON.COM INC 一般消費財・サービス流通・小売り アメリカ 3.4%
4 NVIDIA CORP 半導体・半導体製造装置 アメリカ 2.9%
5 ALPHABET INC-CL A(Google) メディア・娯楽 アメリカ 2.4%
6 META PLATFORMS INC-CLASS A メディア・娯楽 アメリカ 1.9%
7 BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B 金融サービス アメリカ 1.7%
8 TESLA INC 自動車・自動車部品 アメリカ 1.5%
9 ALPHABET INC-CL C(Google) メディア・娯楽 アメリカ 1.5%
10 UNITEDHEALTH GROUP INC ヘルスケア機器・サービス アメリカ 1.4%

※2023年10月31日現在、目論見書より

 

投資信託『S&P500』のリターン

2022年1月~2025年1月までの3年間、毎月1,000円ずつ投資した結果、投資信託『S&P500』の投資残高(評価金額)は56,962円であり、リターンが19,932円(53.8%)でした。

ちょうど米国株が上昇した時期ということもあり、この実例からも『S&P500』のリターン率が53.8%というのはとても魅力的な数字だと思います。

ご参考までに、『8資産均等型』及び『債券型』についても毎月1,000円ずつ投資し比較しています。

3年後の投資総額37,000円に対して、各銘柄の投資残高(評価金額)は『S&P500』:56,962円、『8資産均等型』:43,261円、『債券型』:36,616円でした。

『S&P500』のリターンが19,932円(53.8%)と一番高く、『8資産均等型』は6,261円(16.9%)、『債券型』はマイナス384円(マイナス1.0%)という結果です。

イメージとして3銘柄の積立期間と投資残高の関係を下図に示しました。

 

「S&P500と全米株式、オールカントリーの違いとリターン」

    • 「S&P500は米国の大型株に特化していますが、全米株式は中小企業も含みます。オールカントリーは世界全体の株式に投資するため、より分散効果が期待できます。それぞれのインデックスの特性を理解し、ご自身の投資目標に合わせて選ぶことが重要です。」

リターン率=リターン額÷投資総額

2022年1月から投資を開始し、下表の通り1年目はほとんど利益がなくリターン率がマイナスの時もありました。

2年目以降、米国株の伸びに比例し36ヶ月目には『S&P500』のリターン率が前述の通り46.1%までになりました。

『全米株式』の71.3%、『オールカントリー』60.2%と比較すると、『S&P500』のリターン率が低い傾向にありました。

『S&P500』、『全米株式』及び『オールカントリー』のリターン率比較

略号 銘柄 1ヶ月目 6ヶ月目 12ヶ月目 18ヶ月目 24ヶ月目 30ヶ月目 36ヶ月目
A S&P500 -5.0% 0.0% -1.2% 19.4% 28.7% 36.0% 46.1%
D 全米株式 -9.1% 2.2% -1.4% 18.5% 28.4% 48.0% 71.3%
E オール・カントリー -9.1% 1.3% 1.1% 17.5% 25.1% 43.3% 60.2%

コスト(手数料)

運用管理費用(信託報酬)は年間の保有コストです。

『S&P500』の運用管理費用(信託報酬)が0.09372%として、仮に1万円投資しても年間で9円程度のコストしかかかりません。

運用管理費用(信託報酬)は運用している限りずっと差し引かれ続けるため、たとえ1%の差でも30年後には資産に大きな差がでることになります。

私の投資信託銘柄の概要

略号 銘柄 投資対象地域 投資対象資産
(収益の源泉)
信託報酬率
(税込 年率)
基準価格
(円)
純資産総額
(億円)
A S&P500 北米 株式 0.09372% 27,466 3兆9,173億円
B 8資産均等型 グローバル(日本を含む) 株式、債券、リート 0.14300% 15,828 2,547億円
C 債券型 グローバル(日本を含む) 債券 0.24200% 10,220 2億円
D 全米株式 北米 株式 0.16200% 27,953 1兆3,858億円
E オール・カントリー グローバル(日本を含む) 株式 0.05775% 23,297 2兆7,738億円

 

投資する上での注意点

  • リスクもある: 株価は変動するので、損をする可能性もあります。
  • 長期投資がおすすめ: 短期で売買するのではなく、長期的に投資することが大切です。

以下のグラフより2008年のリーマンショック時の株価暴落は約5年間で回復していることがわかります。

「市場は伸びていく」が投資の大前提として、長期投資には『S&P500』は有効と考え、資産形成の一つの手段になると考えます。

『世界経済のネタ帳』より⇨https://ecodb.net/stock/dow.html

まとめ

『S&P500』は、世界の成長に投資したい方におすすめの投資信託です。

その他、『全米株式』および『オールカントリー』もリターンが期待できる投資信託であると考えます。

もちろん、リスクもありますので、ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、慎重に検討しましょう。

(略号A,B,C,D,Eの具体的な銘柄名が知りたければ、問い合わせメールにて回答できます)

以上、お役に立てればうれしいです。

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