こんにちは。「ツキを呼ぶサラリーマン家計研究室」運営者の運雄新記です。
シリーズ(売上→費用→利益→自己資本→時価総額→PBR/のれん→ROE基礎)を一気に俯瞰できる総括記事です。ビジネス視点と投資視点の両面から、“強い会社”の共通項をシンプルな指標セットでまとめ直しました。
Contents
1. 稼ぐ土台を見る:売上・費用・利益
売上は規模と市場ポジション、**費用(原価率・販管費率)**はコスト競争力、**利益(営業/純利益)**は最終的な実力。
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売上:A社が桁違いの最大規模。I社は成長率が目立つ。
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原価率:B・I・Fが低水準=製造効率 or 高付加価値。
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販管費率:Fが8.7%と突出してスリム。BtoBと少数精鋭が効く。
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純利益:Fが圧倒。B・A・Iが続く(赤字も一部あり、明暗分かれる)。
- まずは「売上の規模」と「費用の軽さ」が営業利益率を決め、純利益の安定性につながる。
2. 体力(安全性)を見る:自己資本比率・ネットD/E
自己資本比率は“倒れにくさ(財務の体力)”。ネットD/Eは実質借入依存度。
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自己資本比率:平均49.6%。Fが82.7%で突出。
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ネットD/E:平均0.39倍。H・F・Kはマイナス=実質無借金。
→ 研究開発や不況対応の“余力”を持つ会社は長期で強い。
3. 市場評価を見る:時価総額・PBR・のれん
時価総額=市場の“期待”。PBRは純資産に乗る“のれん(無形価値)”の厚み。
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時価総額:Fが13兆円超で独走。1兆円超は7社。
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PBR:F(3.1)、H(2.7)、I(2.0)…ブランド・技術・人材が評価の核。
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のれん=時価総額−純資産:信頼・技術・人材・組織文化の総合点。
- PBR=PER×ROE。
将来期待(PER)×稼ぐ効率(ROE)=“いまの市場評価”。
4. 収益効率を見る:ROEとROA
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ROE=純利益/自己資本:株主資本をどれだけ増やすか。
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ROA=純利益/総資産:会社全体の資産効率。
高ROE×適正ROAが理想。高ROEでもROAが低いなら負債レバレッジ頼みの可能性あり。
5. “強い会社”の方程式(共通項)
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営業力:原価率/販管費率の管理+価格決定力
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財務健全性:自己資本比率↑・ネットD/E↓
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無形資産:ブランド・技術・人材→PBR↑
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資本効率:ROE↑(できれば本業成長で)
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市場の信任:時価総額の継続的上昇(ニュースに振られない底力)
6. 一発把握!総合スコア(テンプレ配点)
ブログで“見える化”しやすい共通基準。各社を10点満点×6項目で採点し合計60点。
| 軸 | 指標 | 目安・加点例 |
|---|---|---|
| 成長 | 売上成長率 | 業界平均超で+8~10 |
| 収益性 | 営業利益率/純利益率 | 同業上位で+8~10 |
| コスト | 原価率・販管費率 | 業界平均未満で+7~10 |
| 安全性 | 自己資本比率・ネットD/E | 自己資本50%↑、ネットD/E<0.5で+8~10 |
| 効率 | ROE・ROA | ROE>8%、ROA改善で+8~10 |
| 市場評価 | PBR・時価総額推移 | PBR>1×安定成長で+7~10 |
スコアを毎年更新すると、強さの“継続性”が見えます。
読者はランキングで投資先・取引先・就職先の判断材料に。
7. 実務での使い方(サラリーマン視点)
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自社の立ち位置:同業平均と自社の原価率・販管費率・ROEを比較。
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提案の武器化:コスト1%改善=営業利益率○pt改善を“数字で”提示。
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キャリア戦略:PBR・ROEが高い企業の何が強いかを分解→自分の部署施策に移植。
8. 投資視点のミニ・チェックリスト
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□ 売上が横ばいでも、利益率は上がっているか
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□ **原価率↓ or 価格決定力↑**のどちらで稼いでいるか
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□ 自己資本比率50%↑ or ネットD/E<0.5か
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□ ROE>8%(できれば本業起点)
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□ PBR>1×右肩上がり(のれん=無形資産が育っている)
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□ 3年移動平均で見て、一時要因でないか
9. シリーズ内リンク(内部回遊を最適化)
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自己資本・ネットD/E:/chemical-equity-ratio-2024/
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PBR・のれん:/chemical-pbr-2024/
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ROE基礎:/roe-for-salaryman/
※実サイトのパーマリンクに合わせて差し替えてOKです。
10. まとめ(今日から使える要点)
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稼ぐ力:原価率・販管費率→利益率→ROE
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耐久力:自己資本比率・ネットD/E
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評価力:PBR(=PER×ROE)・時価総額
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見えない資産:のれん=ブランド・技術・人材
“稼ぐ×耐える×評価される”の三拍子が、ツキを呼ぶ会社の条件。