B社は、かつての中心事業であったイメージング事業からの脱却を図り、ヘルスケアやマテリアルといった新規事業への転換に成功しました。
2000年頃から約20年間に具体的な取り組みとしては、
- M&Aの積極活用: ヘルスケア分野の企業や事業を数多く買収し、自社の技術とのシナジー効果を生み出しました。
- 財務の健全性維持: M&Aによる投資額を、自社のキャッシュフローで賄うことで、負債を増やさずに事業拡大を実現しました。
- 新規事業への挑戦: 医薬品や化粧品など、自社の技術を生かせる新規事業へ積極的に進出し、新たな成長エンジンを創出しました。
これらの結果、B社は、市場環境の変化に対応し、持続的な成長を遂げる企業へと生まれ変わりました。
成功の要因としては、
- 経営層の決断力: 従来の事業からの脱却を恐れず、新たな事業への投資を決断したこと。
- 財務の健全性: 積極的なM&Aを行いながらも、財務の健全性を維持したこと。
- 技術力: 長年培ってきた技術を活かし、新規事業で成功を収めたこと。
などが挙げられます。
売上高および営業利益の推移
B社は営業利益率は安定しています。
売上高および営業利益の推移
純資産は3兆1,733億円で、自己資本比率66%と高いです。
売上高および営業利益の推移
以下の財務主要指標から、
・PBRが1倍を下回ることはありませんでした
・2023年3月期に同社の時価総額は2兆6,869億円です
B社の財務主要指標
2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | |
売上高営業利益率(%) | 8.1 | 7.5 | 9.1 | 9.6 | 9.3 |
投下資本利益率(ROIC)(%) | - | 4.3 | 5.6 | 6.1 | 5.6 |
自己資本当期純利益率(ROE)(%) | 6.3 | 8.7 | 9.0 | 8.3 | 8.2 |
自己資本比率(%) | 58.8 | 62.1 | 63.3 | 66.8 | 66.3 |
株価総資産倍率(PBR)(倍) | 1.1 | 1.2 | 1.2 | 1.0 | 1.3 |
株価収益率(PER)(倍) | 17.8 | 14.5 | 14.2 | 12.2 | 16.7 |
従業員数(人) | 73,906 | 73,275 | 75,474 | 73,878 | 72,254 |
発行済株式総数(千株) | 514,625 | 514,625 | 514,625 | 514,625 | 414,625 |
時価総額(億円)IRBANK | 20,603 | 21,740 | 26,267 | 30,071 | 26,869 |
B社の構造改革は、事業環境が大きく変化する中で、企業がどのように変革していくべきかを示す好例と言えるでしょう。
以上