こんにちは。
「ツキを呼ぶサラリーマン家計研究室」運営者の**運雄新記(うんゆうしんき)**です。
今回の記事では、国内大手化学メーカー12社を対象に、
売上高・営業利益・利益剰余金・自己資本比率・時価総額・PBR・ROEといった
7つの会計指標から企業の実力を多角的に評価しました。
Contents
🔍 なぜ「会計調査」が重要なのか?
企業の実力を測るうえで、会計データは最も客観的な物差しです。
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営業利益は「本業の稼ぐ力」 
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自己資本比率は「財務の安定性」 
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ROEは「株主資本をどれだけ効率的に増やしたか」 
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PBRは「企業価値と市場からの信頼度」 
これらを同時に見ることで、
“強い会社”と“伸び悩む会社”の違いが明確になります。
🧾 総合スコアランキング(2024年3月期)
各項目を12点満点で評価し、合計点を算出しました。
数値は決算短信・IR情報を基にした2024年3月期データです。
| 略号 | 売上 | 営業利益 | 利益剰余金 | 自己資本比率 | 時価総額 | PBR | ROE | 合計スコア | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| F | 7 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 | 11 | 67 | 
| B | 11 | 11 | 11 | 11 | 10 | 9 | 10 | 63 | 
| H* | 5 | 4 | 7 | 8 | 11 | 11 | 5 | 46 | 
| A | 12 | 10 | 10 | 3 | 7 | 3 | 8 | 45 | 
| C | 10 | 8 | 9 | 5 | 8 | 5 | 4 | 45 | 
| I* | 4 | 9 | 2 | 6 | 9 | 10 | 3 | 40 | 
| D | 9 | 3 | 8 | 7 | 6 | 2 | 6 | 35 | 
| K | 2 | 7 | 3 | 9 | 5 | 8 | 12 | 34 | 
| G | 6 | 5 | 5 | 4 | 4 | 7 | 7 | 31 | 
| L | 1 | 6 | 6 | 10 | 3 | 4 | 9 | 30 | 
| E | 8 | 1 | 4 | 1 | 2 | 1 | 1 | 17 | 
| J* | 3 | 2 | 1 | 2 | 1 | 6 | 2 | 15 | 
*印:12月期決算企業
💡 調査結果サマリー
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F社とB社が圧倒的なトップ2。 
 営業利益・自己資本比率・PBRなど、全項目でバランス良く高得点。
 経営の安定性と収益性を両立しており、“模範的企業”といえる存在です。
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A社・C社も上位グループ。 
 売上・利益の規模は大きく、産業の柱を支える企業。
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下位のE社・J社は、赤字・財務リスクなどが影響し評価が低下。 
 とはいえ、構造改革や新分野投資により再浮上の余地も見られます。
📊 各指標の意味と注目ポイント
| 指標 | 意味 | 着目すべきポイント | 
|---|---|---|
| 営業利益 | 本業でどれだけ稼げているか | 事業の収益力 | 
| 利益剰余金 | 内部留保・企業の貯金力 | 将来の投資余力 | 
| 自己資本比率 | 財務の健全性・安定性 | 倒産リスクの低さ | 
| 時価総額 | 市場が評価する企業価値 | 将来の期待値 | 
| PBR | 株価と純資産の関係 | 割安・割高の判断軸 | 
| ROE | 株主資本の効率性 | 経営効率と投資収益性 | 
🏆 総括:勝ち組企業に共通する3つの力
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利益構造の強さ 
 高い営業利益率と販管費の最適化。
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財務体質の安定性 
 自己資本比率50%以上・ネットD/Eレシオ低水準。
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市場からの信頼 
 PBR1倍超を継続、のれん(無形資産)も評価されている。
数字が語る“信頼の積み重ね”こそ、勝ち組企業の真の強さです。
🔎 次回予告
次回は、上位2社(F社とB社)に焦点を当て、
「なぜこの2社は安定して高評価を維持できるのか?」を、
経営戦略・技術力・資本政策の観点から詳しく解説します。
